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  • Emiko Manners

なぜスポーツ・パフォーマンス心理学を勉強することに!?

どうしてスポーツ心理学を勉強しようと思ったのか。

長年金融機関で働いてきたこともあり、旧職の知り合いと久々にキャッチアップし勉強している内容を教えると必ずびっくりされる。「え、エミコそういうことに興味あったの!?いつから!?」というパターンと、「あーいいね、これからその業界は伸びるよ」と、さすが金融人らしいマーケット分析を伴った感想を言うパターンが多い。そうだよね、ずっと金融機関で金利レベルがどうだ、とかFRB(米連邦準備制度理事会)がこんな政策を発表した、とか言っていた人がなぜスポーツの分野、しかも心理学に!?というのは客観的にはなかなか点と点が繋がりにくい話なのだろう。ただ、私にとっては特に新しい分野でもなければ、非常に自然な流れでたどり着いて道だったりする。

(ホームページの自己紹介文にも背景を簡単に述べたので、それを読んだ方は以下内容が重複すること、ご了承ください。)


幼少期から青春期にかけてバレリーナを目指して日々過ごしていた私は、正直バレエ以外の事をあまり考えていなかった。学校で算数を勉強すれば、それがどうバレエと繋がるのか(例えばバレリーナのポーズに黄金比はないか、必死に探したり)とか、社会で「ともによりよい21世紀を築くには」が授業の課題となった時には、バレエという自分が好きなことをし続けるのは独りよがりな行動で、たいして社会貢献できないのではないかと真剣に悩んだり、思考の基軸には常にバレエがあり、それに対して疑問をもつこともなかった。

バレエの練習ばかりしていたので休みの日に遊んだ記憶は小学校低学年以来、あまりない。小学校4年生の頃から毎年全国コンクールに参加し、夏にはNYで有名なロシア人の先生に個人レッスンをお願いし、毎年何らかチャレンジをしていた。中学生の時、初めて全国コンクールで入賞をし、高校生の時には学校を数日休んでNYのコンクールにも参加し入賞した。でも、いざ高校卒業を控え、進路を真剣に考えないといけなくなった時に、希望していたバレエ学校の試験に合格しなかった事を切掛けに、いっきに自信がなくなっていった。薄々気づいていたけど認めたくなかった思春期の体形変化に伴い、技術も思うように磨けなくなっていた。そして、バレエへの道に一旦蓋をすることになった。高校3年生の夏、学校の周りのみなが受験対策の塾に通い勉強に明け暮れているなか、私はバレリーナからの路線変更でアメリカの大学を受験することにし、約3か月必死に勉強をし、運よく米国のコーネル大学に合格することができた。バレエの成績も合格結果に大きく影響したと思われるが、この点では試験以外の活動を評価してくれるアメリカの大学の入試制度は私みたいに受験勉強をする時間がないほど何かに打ち込んでいた者にとっては非常に有難い制度だった。

そして大学は非常に楽しく、その後外資系金融機関に入社することになり、毎日非常に恵まれた刺激的な環境で働いていたのだが、人生の殆どの時間エネルギーをささげていたバレエを失ったことへの喪失感、その道を達成できなかったことへの挫折感、様々な気持ちとずっと付き合うことになり、幸せなんだけどなぜか不安定な状態が続いていた。私はのちにこの状態が多くのアスリートが経験する、アイデンティティ―の喪失によるものだと学んだが当時は正直よくわからなかったし、言語化もできなかったので人と共有することもできなかった。

バレエへの気持ちの整理がつけられないなか、充実した社会人生活を送りながらも、何か悶々とした気持ちが残っていた。社会人の初めのころは、再び舞台で踊ることをどこかで考えていたが、10年近く経つといよいよ現実的に難しい事を認めざるを得ず、またライフステージが変わった事もあり、新しいキャリアを考えるようになった。そこで考えた道がスポーツ・パフォーマンス心理学の分野でメンタルコンサルタントになることだった。

小さい頃から舞台でどうやってベストのパフォーマンスをするのか、音楽家である父にはイメージトレーニング法を学んでいた。同じく音楽家だった母からは、日常の訓練・ルーティン化の大切さを教わった。そして社会に出ると、本番で実力を発揮するのが上手な人、落ち込んでなかなか集中して力発揮できない人等、色々な働き方をする人と出会った。また私自身、二人目の子供を産んで仕事に復帰した後、非常に幸せな毎日を送っていると思っていたのに、過度の疲れと気づかないうちにため込んでいた育児と仕事の両立への不安や重圧感からか、パニック発作を一度経験した事もあった。これらの体験から身体と脳、心のつながりやパフォーマンスへの影響についての自分の興味関心がどんどん膨らんでいった。そしてバレエ、社会人等の経験を通して、自分のメンタルをコントロールできるほどエンパワーリングなことはないなと思った。スポーツ・パフォーマンス心理学の領域で、様々なアスリート、パフォーマー、ビジネスマン、ヒトを少しでもサポートできたら嬉しい。

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