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  • Emiko Manners

Nurture(後天的)Or Nature(先天的)!?メンタルは生まれつき決まっている!?

スポーツ界ではよくこういった話を聞く。選手の選考プロセスでは、身体能力には欠点があっても全体的なパフォーマンスが高い選手は、弱点を克服するトレーニングで能力向上が期待できると見なされものの、メンタルが弱いと見られる選手は、その特徴が変えられないものとして選考の対象外となる事が多い、と。こういった話は競技に限らず、スポーツ以外の分野でも見られる現象だ。身体能力もメンタルもある程度は遺伝子の影響で決まっており、ある程度は環境等によって形成されるものだという見方が一般的である。先天的な要素の割合については、研究者によって異なり、約20%から60%程度と言われている。それなのに、精神的に強くない=ダメな人、伸びない人、といった先入観、固定概念が現代社会で依然として見受けられている。身体能力がほぼ先天的に決まっているとみている指導者もまだ多いが、メンタルに関してはもっと多いと考えている。

では、本当にメンタルは鍛えられないのだろうか。

メンタルの強さが生まれつき決まっているのかどうか、この問いに答えるためには、まずメンタルの強さが具体的に何を指すのか、その定義を明確にすることが重要だ。スポーツ心理学ではよくスポーツ心理学者Jim Loehrの4Cが頻繁に使われる。4Cの考え方では、コントロール(Control)、チャレンジ(Challenge)、コミットメント(Commitment)、そして自信(Confidence)の側面からメンタルの強さを評価する事ができると言われている。つまり、いかなる状況でも自身の反応とフィジカルをコントロールし、チャレンジを臆せず頑張る姿勢(失敗への反応が適切であること)、そして努力と継続が可能であり、どんな逆境にも乗り越え、最終的に頑張りぬくことができるんだという自信を持つことがメンタルタフネスとして位置付けている。あたり前の事を言っているように聞こえるかもしれない。でも、このように改めてメンタルの強さを紐解いて、具体的な要素に分解してみると、それぞれの要素が習得・発展できるものであって、メンタルの強さが生まれてから一定ではないことが理解できるだろう。例えば下半身の筋力が弱かったとしても、その部分のトレーニングによって強化が可能であるように、コミットメント能力が高いが、失敗の時に諦めて自信を失う事が多い場合、失敗への反応を強化するためのメンタルスキルトレーニングを継続的に行うことでメンタルを強化すれば良い、といった考え方だ。

今まで漠然と、「あの人メンタル強いからかてっこないなー」とか、「私は生まれつき本番に弱い」と思い込んでいた人も、メンタルタフネスの本質を捉えることによって、見方を変え、メンタル強化するためにアクティブなアプローチを取ることができるだろう。

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